野球部の大会は一学期に集中する。にわか仕立ての我がチームは群大会を皮切りに試合が組まれている。エースは3年生、キャッチャーは新一年生の私。
これで勝とうとは虫が良すぎる。群大会はコールドゲームの散々な結果になった。監督は怖い顔をして、落胆の様子。声を発することさえできなかった。
監督は増々意固地になり、練習に力が入りより一層厳しい練習に明け暮れた。次の試合は勝てなくても、チーム一丸となり、善戦することを目標にした。
ところが、目標とは裏腹に善戦むなしく、またコールドゲームに敗れ去った。ナインは落胆し、それ以上に監督は疲労の色を滲ませていた。
それから、青年団チーム、アマチャチーム交流試合が組み込まれた。大人のバッターがビュンビュン振り回すので生きた心地がしなかった。
キャッチャー指名した監督を恨んだ。逃げ出したかった。しかし、監督の熱意を感じ踏みとどまった。 つづく